『臨死体験』について 1

 「前世」とも関係があるので、『臨死体験』についても考察します。

 

数多い体外離脱体験リポートの中でも、最も有名な事件といわれているのは、1977年の春にシアトルの病院ハーバービュー医療センターで起こったものです。

 

 

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●知人を頼って、ワシントン州のヤキマからシアトルにやってきた季節労働者のマリアという50代の女性が、心臓発作に見舞われて、ここの病院に救急車で運び込まれてきました。

 彼女は入院して三日目に急に心停止を起こしますが、心臓マッサージなどの緊急措置のために、どうにか息を吹き返したのです。

 

 ところが、この心停止の最中に、彼女が言うには、体外離脱を起こし、自分が措置されるのを天井から見下ろしていた・・・。」というのでした。

 

 

 

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 また、彼女は、体外離脱をしているときに「病院の外に出て、病院北側の3階の窓に、ブルーのテニスシューズが片方だけのっているのを目撃した・・・。」と証言したということです。

 また、そのシューズは、靴ひもがほどけて、小指のところが擦り切れていたと証言しました。

 

●マリアからこの話を聞いたソーシャルワーカーのキンバリー・クラーク・シャープが3階の窓辺を捜したところ、確かにマリアの言うとおりのテニスシューズが窓辺に置いてあるのが見つかったそうです。

 

●この件について

 

 「マリアは、夜に緊急入院してから2階のベッドの上でチューブを付けて過ごしていたので、3階の窓辺を見ることはできなかったはずだ・・・。

 また、この部屋からそこに置いてあるシューズは見えない位置にあった・・。

 だからこの証言には高い信憑性がある。」と、

 

立花隆が書いた『臨死体験』の中でも取り上げられています。

 

 

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●ところが、実際に実験してみるといろいろなことが分かってきました。

 カナダのサイモン・フラスター大学の卒業生と教員が、ハーバービュー医療センターを訪れてマリアがテニスシューズを見たと言っている窓辺に実際に運動靴をおいてみるという実験を行いました。

 そして、その結果を「スケフティカル・インクワイラー」誌の1996年7月号、8月号にレポートを載せました。

 

 その実験の結果、窓辺に置かれた運動靴は、実際は、地上の駐車場からも病院の中からもよく見えることが判明したのです。

 また、この話がクラークによって初めて公にされたのは、事件があってから7年も後のことでした。

 

 しかもこの間にクラークは、マリアの証言をメモやテープに残してはいなかったのです。

 クラークが思い出したというマリアの話は、どこまでオリジナルのマリアの話に近いのかは、すでに、第三者には、確かめようのない状態になっていました。

 そもそもマリアは、季節労働者ということで、その後の消息はわからないままなのです。

 

 なお、クラーク自身も「臨死体験」の経験者であり、それについて霊的な解釈をしたがる傾向があることが分かっています。

 

 

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