「デジャ・ビュ」(既視体験)について2

◆ 催眠に関するとある話し 

 

 

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 さて、この催眠に関して、ある興味深い話があります。

 

 

 アメリカのエンターテイナーにピーター・レブインという人物がいますが、

 

この人は、催眠術をステージで観客相手に描けるというショーを行ってい

 

ます。また、その中でも、退行催眠を掛けることを得意としているそう

 

です。

 

 

 例えば、彼が退行催眠を行うと、同じ舞台に立った観客2人が同時に「自分

 

の前は中世のイギリス国王ヘンリー8世であった!」とか、「自分の前世

 

は、中世の有名な海洋冒険家のコロンブスであった!」と言い出したことがあ

 

ったそうです。

 

 

 不思議なことに、「自分の前世はイギリスのチャールズ皇太子であった!」

 

と言い出す人もいたそうです(チャールズ皇太子は、まだご存命ですので、お

 

かしな話でが・・・・・)。

 

 

 

 このような退行催眠を掛けて前世を調べた場合、必ずと言っていいほどのあ

 

ターンが存在します。

 

 それは、自分の前世であるという人物が、だいたい歴史上の大きな事件の中

 

物であったり、そうでなくとも、自分は、歴史的に重要な役割を演じた人

 

物であるといったということです。

 

 

 また、欧米人の前世をめぐる物語の中には、中世の十字軍の遠征や、フラン

 

ス革命、アメリカの南北戦争、そして、古代のイエス・キリストの十字架の場

 

面での出来事など歴史に大きな影響を与えたとされる出来事が繰り返し登場す

 

るという傾向があります(先に記したインドの子どもたちの例も思い出して下

 

さい。この自分の劣等感に基づく思考の傾向については、紙面の関係やテーマ

 

から逸れるため書きませんが、※注の資料などを参考にしてください。)。

 

 

 

 ◆ ある実験

 

 

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 また、催眠術の元で思い出す前世が、本当の前世かどうかを確かめる学術的

 

実験がすでに幾つか行われています。

 

 

 例えば、1987年にアメリカのケンタッキー大学において、ロバート・ベ

 

イカーという名誉教授が行った実験では、60人の学生を3グループに振り分

 

け、最初のグループの学生には、「前世療法なんて、インチキのでっち上げの

 

療法だ。」というテープを聞かせました。

 

 

 

 また、次のグループの学生には、「前世療法で、過去に行くかもしれない

 

し、行かないかもしれない。」という中立的な内容のテープを聞かせ

 

ました。

 

 

 

 そして、最後のグループの学生には、「最近、前世療法という革新的な医療

 

方法が開発され、時間を遡って旅をするという素晴らしい体験ができる。」と

 

いう、前世療法に関して、期待に満ちた内容を吹き込んだテープを聞かせ

 

ました。

 

 

 さらに、その上で、学生達に退行催眠を掛けてみたところ、第1のグループ

 

では、学生の内、10%に当たる人しか前世が思い出せず、第2のグループで

 

は、60%に当たる学生が前世を思い出しました。

 

 

 そして、第3のグループの学生はというと、学生の内85%に当たる人が前

 

世を思い出したという実験結果が出たのです。

 

 この実験において、先に述べた実験の中で、学生達が聞いたテープの内、前

 

世療法の効果への期待を誘導するテープの内容に比例して、前世を「思い出

 

す」率が高いということが明らかとなりました。

 

 

 

 また、ベイカー名誉教授は、退行催眠のみならず、学生達の記憶を未来に飛

 

ばすいう「先行催眠」を行う実験も行いました。

 

 この実験では、実験を受けた総勢53名の学生の内、9割以上の生徒が、

 

「過去」とに「未来」をも思い出すことができたという実験結果が出

 

ました。

 

 ただし、その学生達が見た未来は、当然のことながら実現せず、全く当たり

 

ませんでした。

 

 

 

 ◆ 結論

 

 

 

 これらのことから分かることは、催眠術によって思い出した前世というの

 

は、本当の前世ではなく、催眠術師が行う誘導によって、また、自分の記憶

 

のあいまいな部分が人為的な方法により後から作り出された「前世」である

 

可能性が実に高いということなのです。

 

 

※注の参考資料

 

 

 

 

 「陰謀がいっぱい!」      別冊宝島233 宝島社

 

 「隣のサイコさん」        別冊宝島281 宝島社

 

 「洗脳されたい!」       別冊宝島304 宝島社

 

 

              『臨死体験と催眠についての考察』につづく→